
堆肥の種類と種類別の特徴と効果を解説します。
それから、堆肥の使い分け方と良い堆肥の見分け方も紹介します。
ホームセンターやネット通販では「バーク堆肥」「牛糞堆肥」「馬糞堆肥」などいろいろな種類の堆肥が売られています。

堆肥の種類が違うと効果も違うのかな?

堆肥の種類によって使い分けるほうがいいのかな?
花壇の土作りにはどの堆肥を使ったらいいのかな?

堆肥には種類がいろいろあるので、どれを使ったら良いのか迷いますよね。
堆肥の種類と特徴をしっかり理解して使い分けられると、庭づくりがもっと楽しくなりますよ。
このページでは、
について解説します。
堆肥とは何か?

堆肥は土作りの時に土に混ぜるから肥料かな?

いいえ、堆肥は肥料ではありません。
堆肥は樹皮、ワラ、もみ殻などの植物性の材料や、牛糞、馬糞、鶏糞など家畜の糞を発酵させたもので、土を植物の成長に適した環境に改善する働きがあります。
堆肥の種類と効果

堆肥の種類ごとの効果を教えてください
バーク堆肥
バーク堆肥は、樹木の皮(バーク)を原料として作られた堆肥です。
作り方を簡単に説明すると、
- 樹木の皮を砕く
- 砕いた皮に栄養素と発酵補助剤を加えて発酵させる
- 5~6ヶ月以上、微生物の活動を活発化させるために定期的にかき混ぜる
という過程を経て完成します。
(画像:兵庫県バークセンター公式サイト)
バーク堆肥は
- 土に混ぜると適度な肥料や水分が土中に含まれるようになる
- 微生物をたくさん含んでいるので植物を元気にする効果がある
- 微量元素を含んでいるので植物の生育が良くなる
- 繊維質が多いので土の中でゆっくりと分解されて効果が長く続く
という特徴があります。
モリブデン、銅、亜鉛、マンガン、鉄、ホウ素、塩素の7 種類ある。
牛糞堆肥
牛糞堆肥は、牛の糞にオガクズや籾殻を発酵補助資材として混ぜてから発酵させたものです。
(画像:弓削牧場公式サイト)
牛糞堆肥は
- 土に混ぜると適度な肥料や水分が土中に含まれるようになる
- カリを含んでいるので植物の生育が良くなる
- 繊維質が多いので土の中でゆっくりと分解されて効果が長く続く
という特徴があります。
根の生育や、病気に対する抵抗力を高める働きがある。
花ごころ公式サイト
「みんなに聞いた『肥料&リンカリ肥料の疑問』」
馬糞堆肥
馬糞堆肥は、馬の糞と厩舎で敷いているワラや籾殻を混ぜ合わせて発酵させたものです。
牛糞堆肥と似ていますが、胃袋を4つ持つ牛の糞は食べた餌が良く消化されて含まれています。
これに対して、馬は餌が牛ほど餌を消化しません。
なので、馬糞には微生物がたくさん含まれていて、見た目も牛糞より荒いです。
馬糞堆肥は
- 土に混ぜると適度な肥料や水分が土中に含まれるようになる
- 牛糞堆肥より粒が荒いので排水性が良い
- カリを含んでいるので植物の生育が良くなる
- 繊維質が多いので土の中でゆっくりと分解されて効果が長く続く
という特徴があります。
根の生育や、病気に対する抵抗力を高める働きがある。
鶏糞堆肥
鶏糞堆肥は、「鶏糞堆肥」とか「発酵鶏糞」などいろいろな商品名で販売されていますが、商品名に「堆肥」が入っていても、肥料です。
鶏の糞を1次〜4次発酵まで4回発酵させて作られます。

鶏糞堆肥は牛糞堆肥や馬糞堆肥と何が違うんですか?

鶏は牛や馬よりも腸が短くエサの栄養吸収率が良くないので、吸収されなかった栄養が牛や馬よりたくさん糞に含まれています。
鶏糞には植物の成長に必要な三大栄養素であるチッソ、リン酸、カリが多く含まれています。
特に、鶏糞にはリン酸が多く含まれています。
堆肥の使い分け方

堆肥の種類が違うと効果も違うんだね。

堆肥の使い分け方を下の表にまとめました。
土を植物の生育に適した環境に改善する | バーク堆肥、牛糞堆肥、馬糞堆肥 |
植物の根元をマルチングする | バーク堆肥、牛糞堆肥、馬糞堆肥 |
肥料にする | 鶏糞堆肥 |
土づくりにはバーク堆肥、牛糞堆肥、馬糞堆肥のどれかを使う
バーク堆肥、牛糞堆肥、馬糞堆肥いずれも土に混ぜると適度な肥料や水分が土中に含まれるようにする働きをします。
ですから、基本的にどの堆肥を使っても、植物の生育に最適な園芸用土を作ることができます。
ただし、
・山野草を育てる場合
・バラを育てる場合
は堆肥を使い分けた方が良いので紹介します。
「花壇の土の作り方」で堆肥を使って花壇の土をつくる方法をくわしく解説しています。
山野草を育てるときは土づくりにバーク堆肥を使う

山野草を育ててみたいんだけど…

山野草を育てるときはバーク堆肥を使って土作りをすることをオススメします。
山野草がもともと育っていた野山の土の環境を考えると、動物の糞よりも樹木の皮が混ぜ込んである土の方が合っていると納得できます。
土の質を選ばない山野草もありますが、上の画像のササユリのようにバーク堆肥で作った土の方が良く育つ山野草もあります。
バラを育てるときは土づくりに牛糞堆肥か馬糞堆肥を使う

庭でバラを育ててみたいな。

バラの育苗家は牛糞堆肥か馬糞堆肥で土作りすることを勧めています。
バーク堆肥、牛糞堆肥、馬糞堆肥はマルチングにも使用できる
バーク堆肥、牛糞堆肥、馬糞堆肥、いずれもマルチングに使うことができます。
堆肥でマルチングすると
- 植物の根を暑さや寒さから守る
- 雨の時の水はねを抑えるので、土の中にいる病原菌が植物につくのを防ぐ
ことができます。
鶏糞堆肥は土づくり用ではなく肥料として使う

「鶏糞堆肥」とか「発酵鶏糞」という名前で売られているものは、肥料として使うのね。

はい。土作りをするときに鶏糞堆肥を混ぜても、フカフカで植物の生育に適した土を作ることはできません。
もし、鶏糞を肥料として使いたいなら、鶏糞堆肥ではなくて「炭化鶏糞」を使うことをオススメします。
鶏糞堆肥は少しニオイがありますが、発酵させずに炭化させた炭化鶏糞は無臭なので使いやすいです。
良い堆肥の見分け方

良い土を作るには良い堆肥を使う方がいいよね。
どうやって見分けるのかな?

良い堆肥は、
- 嫌なニオイがしない
- 色が濃い
という特徴があります。

堆肥の色は袋に入っていても確認できるけど、ニオイは袋を開けてみたいとわからないよね。

そうですね。
堆肥の袋に完熟と書いてあったり、商品説明に「6ヶ月以上発酵させている」と書いてあるものを選ぶようにすれば大丈夫です。
まとめ
堆肥の種類と特徴を良く知って、使い分け方をマスターすると庭づくりがとても面白くなります。
このページを参考に、堆肥を使い分けて一年中花が絶えない庭を作ってください。
堆肥の種類 | 土作りに使う | 肥料として使う | マルチングに使う |
バーク堆肥 | ![]() |
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牛糞堆肥 | ![]() |
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馬糞堆肥 | ![]() |
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鶏糞堆肥 | ![]() |
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